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あいてらす通信  Vol.62 2019年4月19日  

見てあげることは最高の教育であり、人は自信によって復活する。

 
1.はじめに  
   

 大学を卒業して盛岡に赴任した私は、3年後、東京(リクルート本社)に戻るという約束をいただいていました。盛岡グランドホテルでは、希望した「営業マン」に配属が決定。当時のグランドホテルは、既に第三セクターからリクルートに経営が移管されていて、江副社長の「地元第一主義、一流主義、社員皆経営者主義」の方針のもと、社員一丸となって経営の改善を目指していました。総支配人(当時)だった高塚さん自ら、レストランの朝食準備に始まり、夜のスカイバーでの接客までこなすという長時間労働で、陣頭指揮を執っておられたことが思い出されます。

 当時の私にとって、上司だけでなく他の社員からも注目される営業企画部というポジションが大きなモチベーションとなり、失敗もしましたが、そこから多くのことを学びました。営業はもちろん、採用活動も自由にやらせてもらった結果、あるとき某高校から「青田買い」の指摘を受け、本社のリクルート人事部N次長に伴なわれて謝罪に行ったこともありました。

 そのころ、地元出身の大卒採用という大きな使命を帯びて、東京出張しました。西新橋の本社にデスクを借り、卒業予定者にアポを取り面談を繰り返した結果、北大のSさん(現/岩手県議会議員)を獲得することができました(一度は辞退し、県職員を経て翌年入社)。Sさんは入社後、不動産事業の契約書一切を任され、法務で大活躍。その後、サービス現場裏方(パントリー課)で、下げられた大量の食器類や残飯の片づけに独自のノウハウで臨み、作業の合理化を成し遂げるなど手腕を発揮しました。サービスの裏側に大卒が入ることで、経営移譲後の人事の柔軟性を示して高卒・専門卒と大卒の垣根を壊した稀有の人財となりました。 私も期待に応えようと、朝は営業マン、夜はバーテンダー、日中は採用担当として高校を回り、休日出勤、残業、深夜勤務もいとわず今思えばかなりの労働過多でしたが、当時はやりがいを感じ、基本給の2倍の給料をいただいていたこともあって、それが大きな誇りでした。

 先日、ユーチューブでタモリの「笑っていいとも!」に安倍晋三総理が出演した(2014.03.21)動画を観ました。現役の総理大臣がお笑い番組に出演するなど史上初でしょう。タモリさんが「お笑いやバラエティーをやっていると国からほめてもらえない。落語家はほめてもらえるけど・・」と言うと、安倍さんは「タモリさんは無形文化財だと思います(笑)」と応じました。又、「『ボキャブラ天国』をやってましたね。あれファンでした。相当の技術というか、よく考えないとできませんね。気持ちが朗らかになるってことは大切ですね!」と和気藹藹トークが続きます。分刻みでスケジュールをこなす総理大臣が「その場勝負」ではなく、周到な準備をし、相手に対する敬意を払って番組を盛り上げていることに感心し大ファンになりました。

 私が最も感動したのは、安倍首相がタモリさんに「32年間、途中でやめようと思ったことは?」と質問した場面です。あの放送を見ていた人たちの中で「笑っていいとも!」が32年間も続いた番組だと知る人はどれくらいいたでしょうか。
 「見てあげることが最高の教育」という心理を知り尽くしている安倍首相は、事前の情報収集で相手を研究し準備万全だったのです。私は安倍首相が総理大臣在位年数で戦前、戦後を通じて過去最長を更新するのは間違いないと考えています。国会で「悲観主義は気分、楽観主義は意志」という発言に感動し、国のトップへカムバックされたことは偶然ではないと思います。

 
   
自信は勇気に優先する 人は自信によって蘇ることができる  
   
2.お客様からの学び  

  先日、M時計店(盛岡市大通)で、心地よいサービスを体験、気持ちの良い買い物をすることができました。今話題の、イチローモデルの時計があるのを思い出し、修理が必要かを相談に行ったのですが、若い担当者Kさんから電池交換だけで済みますと言われて一安心。待っている間、新聞を読みながらソファーで寛いでいると、上品な紳士がお茶を運んでくれました。そのお茶が湯加減といい、香り立つ味わいといいまさに極上の一服。私は若い頃に初めて帝国ホテルで味わった感動を思い出し、あの時の格調溢れたサービス、気品ある雰囲気をも超えるようなお店の佇まい、洗練された人的サービスに心を奪われました。
若い担当者氏に、「あの方はどなたですか」と尋ねると「当社の専務です」とおっしゃるのです。 「美味しいお茶に感動しました」と言うと、「手の空いた者が交代で淹れております」というお話。日曜日で混んでいたこともありますが、「一人二役三役」のサービス対応に私は、電池交換だけでは申し訳なくなり(笑)、気に入ったバンドも購入し、その時計をいつも持ち歩いています。
 この時計店がこのような見事なチームプレーをできるのはなぜか。私は、M社長が「美点凝視」に秀でていて、「ほめ上手の達人」であることが社員の皆さんに伝染しているのだと考えます。

 昨年、訪問した際に椅子に腰かけていた私をM社長が見つけて声を掛けてくださり「及川さん、凄くお若くなられましたね!表情がイキイキして顔の艶がいいですよ」との第一声。「いやぁ~私の母がツヤさんですからねぇ(笑)」と答えたものです。すぐに奥様がコーヒーを運んでくださり、一緒に歓談し昔話に花を咲かせ会話が弾んだものでした。ホスピタリティとは、「見てあげることが最高のおもてなし」であり、「長所を発見して会話で伝える」ことが大事と実感しました。自分がされてみて初めてその“心地よさ”がわかりました。感謝。

 
   
3.今月、気に入った言葉  

 

   「相手をきらうな」   
 相手がきらっても、こちらが相手をきらってはならない。
イヤな事を言うヤツだ、と思った時は、自分の負けである。
 ほめられて、いい気になってはならないし、けなされても、しょげてはならない。
人生にはいろいろなことがあるのだ。その時、その時、悩むのも喜ぶのも、この自分なのだ。
 人様ではないのだ。自分としては、やるだけのことをやって、気にしないことだ。

                   ―― 鈴木清一氏(「ダスキン」創業者)の言葉 ――

 

 

 

 

あいてらす
代表 及川 好夫

 
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